「一番好きな映画なに?」
僕の嫌いな質問です。
人並みですが映画を観るのが好きなたちで、映画の話になればマストで出てくるワード。
メジャーどころを出してもミーハーだなって思われますし、ましてやニッチなところを突いても「通ぶってるな」って思われてそうで。
この話題をたくさんしていく中で学んだ教訓は特に40〜50代の人には
90年代のマフィア映画を出しておけば間違えないということです。
好きな映画がジャンルによって変わるのはもちろんのことその時の気分によっても変わってくるのは僕だけじゃないはずです。
今回はそんな僕がジャンル問わず気に入っている作品や、最近観てオススメしたい作品をご紹介させていただきます。
まず一つ目は人格形成に大きな影響を与えた
〈Big Lebowski | ビッグリボウスキ〉です。
90年代の公開当時は商業的な成功は収めなかったものの
長い年月をかけて沸々とファンを増やしていった今やカルト映画の代名詞の一つ。
主人公の通称〈デュード〉が同姓同名の大富豪のトラブルに巻き込まれてしまう
コメディ/クライム。
登場人物全員が個性豊かなんですが特にこのデュードと親友のウォルターが最高なのです。
そしてストーリーも去ることながらなんといってもこのデュードの服装や生き方がこの映画の一番の魅力。
ガウンの下にはヨレヨレのTシャツ、トランクスにサンダル姿。
トラブルに巻き込まれようが流れに逆らわずにただただ流されていく主人公は
無理せずありのままでいいんじゃないの?と実感させてくれます。
どんな状況でも考えやスタイルを変えない『デューディズム』たるものをこの映画から学ぶことが出来ます。
続いて二つ目の映画は〈MAIDEN | メイデン〉です。
日本では今年の春頃に、限られた劇場でしか公開されていない比較的最近のインディペンデント映画で、『現代のスタンドバイミー』とも言われるなんともノスタルジーなこの青春映画はカナダの郊外を舞台に、少年達の思春期をそのまま落とし込んだ作品。
主人公の少年2人はいつもスケボーに乗り、壁にグラフィティをしたり建設現場に立ち入ったり、何気ない日々を繰り返すのですがそのうちの一人、カイルが不慮の事故死。
唐突な親友の死から迫り来る喪失感。
生と死の境目を超えた超現実が妙にリアルに表現され、16mmフィルムでしか醸すことのできない映像美は圧巻です。
ちなみにこのカイルは〈スタンドバイミー〉のリヴァーフェニックスを相当意識してるな〜と感じました。
そして三つ目も今年に公開されたばかりの映画
〈SING SING | シンシン〉
ニューヨークのシンシン刑務所の収監者達が更生プログラムの一環で舞台演劇をし
そこで起こるヒューマンドラマを描いたこの作品は予告を観た時点で「これは絶対面白い」と確信していました。
実話を題材にした映画って劇中は忘れてしまいますがエンドロールあたりで「そっかこれ全部実話か!」と驚かせれるんですよ、〈キャッチミーイフユーキャン〉もそうですが
最後に本人の実際の写真や映像が流れたり、本人はあれから今に至るまでこういう活動をしているとか、出てくるじゃないですか?それを見てより作品のリアリティさや向き合い方が変わります。
この作品は実際の元収監者がキャストとして出演し演技をしています。
そういう作品の方がキャラクターひとりひとりへ感情移入しちゃいますよね。
最後は〈Reality Bites | リアリティバイツ〉です。
ティーンエイジャーのありのままを描いた青春群青映画で、
”現実は厳しい”という意味がタイトルのこの映画は90年代のいわゆるジェネレーションX世代の男女4人が社会の現実に直面し、葛藤するなんとも甘酸っぱい作品。
イーサンホーク演じるトロイが意中の相手、リレイナ(ウィノナライダー)に対して放ったあのセリフ、
「僕はこれだけで満足だ、タバコとコーヒー、少しの会話、君と僕と5ドル」
サラっとこういうことを言える人になりたかったなと。
このシーンだけでも何回も観直してしまいます。
そしてなんといってもこの映画を彩るサントラが最高なんですよ。
一瞬にしてグランジーな世界観に引き込まれます。
ちなみに去年2024年が公開からちょうど30年ということでそれを記念してずっと探し続けていたサントラのレコードがリバイバルされるという情報を聞きつけゲトりました。
もし興味がある方は是非手にとってみてください。
映画というカルチャーは音楽と同等に世間へ大きな影響を与えます。
カルチャーと人は常に相互関係として確立されていますが
カルチャーとカルチャー同士が刺激し合うことで生まれるものもたくさんあるのです。
ファッションと映画もその一つで
現にアカデミー賞では衣装デザイン賞が部門の一つとして存在するじゃないですか、
衣装ひとつをとっても、時にその作品を印象付ける、作品の命運を大きく左右する役割を担っています。
デニムもそう。
デニムというプロダクトが大衆に広く認知され普段着として普及したのも映画からと言われており、50年代の映画で実際に衣装として使用されてから、当時は炭鉱で働く労働者の作業着であったデニムが長い年月を経てファッションとして取り入れられ、現代では必要不可欠なアイテムとして位置付けられています。
皆さんも一度、改めてどういったカルチャーから影響を受けたのか思い出していただき、
ファッションをより楽しんでいただければと思います。
意外と深掘ってみると新たな発見があるかもしれません。
そしてその影響の一つに我々MINEDENIMが存在していれば幸いです。
引き続きMINEDENIMはデニムを通して新たな価値観を生み出せるよう精進して参ります。
Edit by_Tomohiro Hara